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改めて確認しよう!地震に関わる用語

はじめに

ニュースや日頃の会話のなかで、何気に使っている地震に関わる用語についてあらためてまとめてみました。今更人に聞けない地震に関わる様々な用語とその違いを確認してみましょう。

地震に関わる用語

「震度」 と「マグニチュード」

「震度」は、ある大きさの地震が起きた時のわたしたちが生活している場所での揺れの”強さ”のことを表します。 一方、 「マグニチュード」は、地震そのものの”大きさ(規模)”を表します。

「震度」と「マグニチュード」 の関係は、例えば、「マグニチュード」の小さい地震でも震源からの距離が近いと地面は大きく揺れ、「震度」は大きくなります。また、「マグニチュード」の大きい地震でも震源からの距離が遠いと地面はあまり揺れず、「震度」は小さくなります。

震度

地震が起きたときのわたしたちが生活している場所での揺れの”強さ”を表し、気象庁が10階級に区分しています。

出典:「震度とゆれの状況」(気象庁ホームページより

マグニチュード

地震そのものの”大きさ(規模)”を表すものです。マグニチュード(M)と地震波の形で放出されるエネルギーとの間には、標準的にはMの値が1大きくなるとエネルギーは約32倍に、Mの値が2大きくなるとエネルギーは約1000倍になるという関係があります。

■マグニチュードと震度について過去の記事■

「前震」

本震(後述します。)が発生するより前に、本震の震源域となる領域で地震が発生することがあり、それを「前震」といいます。「前震」は、本震の直前~数日前に発生するケースが多い(数か月前から発生する場合もあります)ですが、本震が発生するより前に、それが「前震」であるかどうかを判断することは、現状では難しいと言われています。

「本震」と「余震」

地震が発生したあと、多くの場合、その地震が発生した場所の周辺で、それより小さい地震が多数発生します。最初の地震(最も大きな地震)を「本震」、それに続く小さな地震を「余震」と言います。

「余震」の回数は、「本震」の直後には多く発生し、時間とともに減少していくケースが一般的ですが、一時的に「余震」が活発化することもあります。なお、余震のうち最大の規模を持つ地震を最大余震と呼びます。

「初期微動(P波)」と「主要動(S波)」

地震が起こると、「初期微動」と「主要動」という2種類の”揺れ”が起こります。これらの”揺れ”は、震源から発生するある波によって引き起こされます。

「初期微動」を引き起こす波を、 P波 といい、「P」とは、「primary(最初の)」という意味です。 一般的には、初期微動のことを”縦揺れ”と表現することもあります。

一方、主要動を引き起こす波を、 S波といい、「S」とは、「secondary(二次的な)」という意味です。 一般的には、初期微動のことを”横揺れ”と表現することもあります。

つまり、地震が起こるとまず縦に小さく揺れたあと、横に大きく揺れるという事になります。なお、P波の方が速度が速いため、震源地から遠ざかるほど初期微動と主要動の訪れるタイミングがズレるという特徴もあります。

「耐震構造」と「制振構造」と「免震構造」

耐震構造


「耐震構造」とは、地震が起きた場合に、建物が倒壊しないように対抗できるパワーを備えさせた構造がです。建物を基盤から頑丈に組み立てることによって、大きなエネルギーが建物に加えられた場合も倒壊などの決定的な被害の発生を避け、建物の内部にいる人の命を守ります。

制震(振)構造

「免震構造」と並ぶ新しい構造形式として「制震(振)構造」があります。「制震(振)構造」の特徴は建物にエネルギーを吸収するダンパーを設置するところです。高層鉄筋コンクリート造の重い建物は各階にダンパーを設置し、鉄骨造の軽い建物には最上階にダンパーを設置します。風の揺れに強く制振部材が地震エネルギーを吸収するため地震による被害を抑えることができます。

免震構造

「免震構造」は建物と地盤の間に積層ゴムなどの装置を介入することにより、建物自体の揺れを軽減し壊れにくくする構造です。揺れないため建物自体の揺れだけでなく家具の転倒も少なくなり室内での被害を大幅に減少させます。この免震構造では地震の時の揺れを通常の3分の1から5分の1にまで軽減することができるといわれています。

■耐震構造、制振構造、免震構造について過去の記事■

「断層」と「活断層」

陸地や海底の岩盤が長い間の地殻変動で、ゆっくりと押されたり引っ張られたりしてできた大きな裂け目を「断層」と呼びます。また、このうち過去に繰り返し動いているものを「活断層」と言います。

地震は、「活断層」がずれ動く事で発生し、動いた場所を一般的に”震源地”といわれます。

■断層、活断層について過去の記事■

「海溝」と「トラフ」

南海トラフ地震と聞くと有名な用語ですが、そもそもこのトラフという用語はご存じでしょうか。

「海溝(カイコウ)」とは細長い深海底の溝状の地形のことで、両側の斜面が比較的急で、水深は通常6,000m以上のものです。一方で、「 トラフ(舟状海盆)」とは、「海溝」に比べ浅く、幅が広いものをいいます。

一般的には、プレートの沈み込み帯にあたり、山脈や弧状列島に沿って形成されています。トラフは、地形的な特徴が海溝ほど顕著ではないものの、構造・成因など基本的には海溝と同じです。

■海溝、トラフについて過去の記事■

まとめ

地震に関する用語を理解している事で、緊急事態での情報収集力に差が出る事は言うまでもありません。用語を理解していれば、ニュースやネットからの情報をいち早く入手する事ができ、ひいてはご自身や家族の安全を守る事に繋がるのではないでしょうか。

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